アパレル業界のリテールとホールセールの違いって??
ホールセールが卸売って言うのはわかったけど、実際は何してるの?
必要なスキルって何?
実際に求められている人材って??
こう言った疑問に答えます。
アパレル業界で働きたいと思っても、販売職の情報ばかりで、内勤の仕事に関しての情報は本当に少ないです。
この記事を書いている私は、現役で外資系アパレル企業の内勤OLとして働いています。
アパレル業界で10年ほど働いている経験はもちろん、実際の現場からの声を最新情報としてお届けします。
アパレル業界のリテールとホールセールの違いって??
ざっくりと言うと、リテールは直営店をメインとする部署で、ホールセールは卸売をメインとする部署です。
詳しく見て行きましょう!
リテール
リテール部門は直営店のマネージメントが主な仕事です。
リテール部門は直営店が管轄となるので、会社の中でも1番大きな規模の部署で、リテール部門の中に、営業、MD(マーチャンダイザー)VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)、DV(ディストリビューター)、PR(プレス)などさまざまなポジションで構成されています。
お店を運営するためには、ヒト・モノ・ウツワが必要です。
どれが欠けてもお店の運営は出来ません。
なかでもリテール部門の一番の仕事は販売力の強化です。
どんなに素晴らしい商品でも、優秀な販売スタッフが居ないと、売上は上がりません。
そのため、スタッフのケアや人員配置、トレーニングや採用活動など、店舗運営のすべてを取り纏めるのがリテール部門です。
その中でもリテール営業は下記のような仕事がメインとなります。
・直営店の予算管理
・直営店の売上管理
・販売スタッフのケア・配置・採用・トレーニング
・百貨店やデベロッパーとの折衝(交渉)
特に、百貨店やデベロッパーなどとの交渉は、百貨店のどこにお店を出店するかの交渉となり、
「隣に来るブランドはどこなのか?」
「場所はどこなのか?」
「賃料はいくらなのか」
「広さはどのくらいなのか」
「人の導線はどうなのか」など、ブランドの売上を大きく左右するため、とても重要な仕事です。
どんなに優秀で、販売力のあるスタッフを育成しても、人があまり通らない場所に出店しても、
販売力を生かして商品を売ることは出来ませんよね。
このように、ヒト(販売スタッフ)・モノ(商品)・ウツワ(店舗)の環境と整え、
スタッフが販売に専念できるように環境と整えるのがリテール営業の仕事です。
ホールセール
ホールセールは卸売をメインとする部署です。
自社ブランドをロンハーマンや、アローズなどの店舗に置いてもらうことだよ!
モチ子はホールセール部門で働いているので詳しく解説するよ!
ホールセールは自社商品を他社に販売して、その売上を利益とするビジネスです。
ホールセールは全国各地のセレクトショップに自社ブランドの商品を卸すことで、販売拠点を増やし、直営店舗のない地域のお客様が商品を購入できることが出来るようにし、ブランドの認知度を高め、売上拡大を行います。
主な取引先は全国のセレクトショップとなります。
B2Bの企業間取引となるため、ブランドでありながら、顧客の企業にとっては仕入れ先という位置付けになるので、メーカー的なポジションで、取引先とやり取りを行います。
時には、そのお店に向かい、販売応援などをすることもあり、営業は全国を飛び回り、取引先のフォローを行います。
ホールセール部門の実際の仕事はこんな感じです。
【営業】
・展示会の開催、運営、受注
・新規顧客の開拓
・売掛金の回収
・売上利益の予測、管理、修正など
【アシスタント】
・展示会オーダーの受注処理
・商品の出荷
・請求書発行
・修理応対
・返品処理
・納期確認
・契約書発行 etc・・・
メインの仕事は展示会の開催と、オーダーの受注です。
色々な仕事がありますが、ざっくり言うと、展示会を行い、受注をし、納品をし、納品した分のお金を請求するのが主な仕事です。
展示会で受注をいくら伸ばせるかによって、1年間の営業利益が決まるようなものなので、展示会はホールセール部門にとって、一番の稼ぎ所になります。
ラグジュアリーブランドなどはプレコレクション、メインコレクション、オートクチュールというコレクションが春夏と、秋冬に開催されます。
ざっくりとした流れはこんな感じです。
コレクション発表
↓
展示会(受注、生産商品、数量の決定)
↓
生産
↓
納品
例えば、秋冬コレクションは2~3月に開催し、実際商品が日本に到着するのは翌年の4月くらいなので、1年先の展示会を行うかんじです。
コレクションごとに展示会を行い、その合間に去年オーダーした商品が到着するので、展示会の受注を行いながら、合間に商品を出荷し、請求書を発行し、お金を頂戴すると言う一連の流れを繰り返します。
今は世界中がコロナ渦で海外出張は行けませんが、外資系アパレル営業の醍醐味はやはり、ファッションショーを本場で見れることではないでしょうか。
ファッションウィーク中の展示会はパリやNYなどの現地で展示会を行うため、ホールセールの営業も現地で生のファッションショーを見ることが出来ます。
アシスタントは海外出張はしませんが、現地での生配信などで、いち早くコレクションを見ることが出来ます。
ファッション好きにはたまらないね!
アパレルの営業部門に必要なスキルって何?
結論から言うと、ホールセール部門にこのスキルが必要!というスキルはありません。
それでも約10年ほど外資系アパレル企業な内勤OLとして働いていると、無いよりもあった方が断然良いスキルがあります。
それがコレです。
Excelスキル
その中でもピポッドテーブル・v-lookup関数・if関数などの中級レベルのExcelスキルです!
アパレル業界は他の業界と違い、パソコン自体が苦手だったり、Excelスキルが無い人も多く、上記のスキルがあるだけで、とても重宝されることは間違いありません。
ピポッドテーブル
展示会で一番オーダーのあった商品や、月毎の売り上げ、取引先別の売り上げ推移など、様々な用途で使用します。アパレルに限らず、使えて損どころか、特しかないスキルです。
v-lookup関数
これは無くては始まらないくらいよく使います。本当に毎日v-lookupしています。
私はアシスタントの面接で、まず「v-lookup出来ますか?」と聞くくらいとても重要視しているスキルです。プライスリストから金額を引っ張ってきたり、品番を引っ張ってきたり、こちらも様々な用途で使用します。
こちらもアパレルに限らず、使えて損どころか、特しかないスキルです。
if関数
使う頻度はそこまで多くありませんが、他の関数と組み合わせたり、使いこなせるととても便利な関数です。中でも営業部門では大量の売上データの中から条件にあったデータをif関数を使って導きます。
色々な関数と組み合わせる事で、色々なデータを導く事が出来るので、使えると、本当に便利で特しかないスキルです。
たとえ外資系アパレル企業での経験が無くても、上記のスキルがあるだけで、とても重宝されることは間違いありません。
とりあえずこの3つの基礎が出来ていればいいんだね!
実際に現場で求められている人材ってどんな人??
営業とアシスタントで求められる人材は違います。
営業では即戦力として、インポートブランドの営業経験だったり、ホールセール部門の経験者が求められています。
アシスタントでは、エクセルスキルはもちろん、卸売のシステムがわかっている人材が求められています。
卸売のシステムと言っても、簡単なことです。
卸売は一般消費者に商品を販売するのでは無く、会社に商品を売るので、販売価格も定価(上代)では無く、下代で販売します。
下代を決めるのは掛け率で、掛け率は取引先によって異なります。
ホールセールは掛け率と下代が売り上げの全てなので、このシステムが身に付いていて、数字に強かったりすると、とても貴重な人材として一目置かれることは間違いありません!
アパレル業界は小売業がメインなので、ホールセール部門のないアパレル企業もありますが、卸売の知識は他の業界でも活かせるものが多いので、そう言った意味ではアパレル業界の中でも、転職のしやすい部署と言えます。
特にアシスタントの仕事は、BtoBの職種であれば活用出来そうだよね!
まとめ
実際の現場からリテールとホールセールの仕事内容を細かくまとめました。
【リテール】
・主な仕事は直営店のマネージメント。
・リテール営業はスタッフのケアや、百貨店などとの交渉を行う。
・一番メインの仕事は「販売力の強化」
【ホールセール】
・ホールセール部門の主な仕事は卸売り。
・全国のセレクトショップなどが取引先となり、直営店が近くにないお客様がブランドを買えるようにする手助けを行っている。
・ブランドでありながら、顧客の企業にとっては仕入れ先という位置付けになるので、メーカー的なポジションで、取引先とやり取りを行う。
・主な仕事は、展示会を行い、受注をし、納品をし、納品した分のお金を請求すること。
・外資系アパレル営業の醍醐味はやはり、ファッションショーを本場で見れること!(今はコロナでどのブランドもファッショッンショーは中止)
・絶対使うエクセルスキルはピポッドテーブル、v-lookup関数、if関数
・営業では即戦力として、インポートブランドの営業経験だったり、ホールセール部門の経験者が求められている。
・アシスタントでは、エクセルスキルはもちろん、卸売のシステムがわかっている人材が求められている。
リテール部門の営業以外のVMDや、MDに関しては、こちらでも解説しています!
実際に外資系アパレル企業で営業アシスタントとして働いているモチ子が、現場から生の声をお届けしました!